2009年4月6日月曜日

悪の心理 「ショッピングひまわり」 生キャラメル偽物販売


消費者を馬鹿にした、業者の論理です。

やっぱり経営者が悪い!、『売り上げを上げるためなら何をしてもよい』 ・・・・・。

いろいろな情報が含まれています、読み物としてどうぞ。


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≪ 【衝撃事件の核心】「どうせ客は分からない」…大人気の生キャラメルを偽装した“特命係長”の強気と転落  ≫
msn. 産経ニュース 2009.4.4
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090404/crm0904041301020-n1.htm

「 タレントの田中義剛さんが経営する「花畑牧場」(北海道中札内村)の超人気商品「生キャラメル」。その偽物を販売したとして、埼玉県のスーパー「ショッピングひまわり」の加工食品仕入れ担当係長の社員(30)が、不正競争防止法違反(混同惹起行為)の疑いで逮捕、略式起訴された。行列ができる“本家”生キャラメルの人気にあやかろうと手を染めた偽装工作。県警によると、社員は「売り上げのためなら何をしてもよい」と社長から全権を委任された「特命係長」だったというのだが…。

行列1時間の人気商品が「こんなに安く?」

 「田中義剛さんの花畑牧場の生キャラメルを販売中です」
 繰り返し流れる女性の声の店内放送に誘われ、買い物にきた主婦らはキャラメルを次々と手に取り、カゴに入れていった。
 昨年7月、埼玉県幸手市の住宅街にあるスーパー「ショッピングひまわり」の幸手香日向(さってかひなた)店。「要冷蔵」の生キャラメルは、よく冷えた精肉コーナーの一番下の棚の隅に並べられていた。
 ポリ袋に袋詰めされたり、総菜用のプラスチック容器に入れられたり。「花ばたけぼくじょうの生キャラメル」とのラベルは共通だ。
 棚から垂れ下がった広告には花畑牧場のロゴが添えられ、「多くのお客さまに少しでも安く提供するため、包装を省き、販売価格を下げています。花畑牧場直送ですのでご安心ください」と書かれていた。価格は1個10粒入り598円だった。
 このキャラメルは、10月までに923袋が売れるヒット商品となった。
 客には「普通においしい」と評判だった。だが一方で、「こんなに安く買えるのはちょっとおかしいのでは」と怪しむ声もくすぶっていた。なぜなら、この生キャラメルは、“本家”とはあまりにも様子が違っていたからだ。

 「花畑牧場の生キャラメル」。平成19年4月から販売が始まったこの商品は、1個12粒入りで850円と決して安くはないが、今や「お客さまの行列は長い時で500人。購入いただくまでに1時間くらいかかってしまう」(花畑牧場広報宣伝部)という人気を誇っている。
同社によると、「プレーン味」や「チョコ味」など6種類の生キャラメルを1日計6万個製造しているが、ほぼ連日、売り切れてしまうという。
 生キャラメルは、北海道産のジャージー牛の生乳と生クリーム、はちみつを銅鍋で時間をかけて煮詰める製法。「口に入れると一瞬で溶けてしまう柔らかさで、味はバターみたいに濃厚なんです」(生キャラメルファンの男性会社員)。
 独特の食感に加え、人気に拍車を掛けているのは“プレミアム感”だ。
 北海道の直営店5店と同社が経営する飲食店3店のほかは、百貨店などの催事に出品されないと購入できない。その上、「多くの方に買って味わってもらいたい」(同部)との意向から、各店舗とも1人5~10個までと数量を限定して販売しているのだ。
 昨年7月には、生キャラメルを大量販売するよう花畑牧場を脅したとして、不動産業の男(29)が強要未遂容疑で道警に逮捕される騒ぎにまでなった。
 そんな大人気商品が普通のスーパーの系列6店舗に並んだ。仕掛けたのは、社内で「特命係長」と呼ばれていた30歳の社員だった。

仕入れ、宣伝1人で主導…「オレが責任持つ」

 「別の業者が『花畑牧場の生キャラメルを入荷できるかもしれない』と話しているんだが、もし、ウチに入ったら買うか?」
 県警の調べによると、社員がさいたま市の食品卸業者からこう打診されたのは、昨年6月のこと。
 その時点で社員は「花畑牧場」を知らなかった。すぐにインターネットを使って調べ、初めて人気ぶりを知った。
〈話題性がある。目玉商品になって店全体の売り上げも上がる〉
 直感した「特命係長」は、ここから“手腕”を発揮する。
7月7日、段ボールに入った生キャラメル12キロを12万円で仕入れた。結局、先の卸業者に花畑牧場の商品は入らず、入荷されたのは「塩味」と表示された北海道小樽市の別会社の製品だった。
 このキャラメルは卸業者に届くまでに計3社を経ていたが、花畑牧場製でないことは、パッケージなどから卸業者も社員もすぐに理解できた。
 だが、社員は花畑牧場のホームページからロゴとキャラメルの画像を無断でコピーし、自ら店内の宣伝広告を作製。まねのできない木製の容器は、価格を下げるために省いたことにして「花畑牧場の生キャラメル」として売り出したのだ。
 「これはおかしいんじゃないのか」
 すぐさま店長が指摘した。卸業者も「花畑牧場の名前は出すな」と警告した。それでも社員は、こう言って取り合わなかったという。
 「オレが責任を持つよ。なじみがないから客は分からない
 7月20日に追加で30キロ、8月にも12キロ、18キロと最終的には計72キロを仕入れ、販売を続けた。すべて社員が主導したとされる。 
 なぜ、誰も社員を止められなかったのか。捜査幹部が背景をひもとく。
 「この社員は社長の言うことを聞くのでかわいがられていたようだ。社長の右腕的な存在で、『売り上げを上げるためなら何をしてもよい』と任されていたことが公然の秘密だった。社内では特命係長と呼ばれ、本社の係長職だが各店長も逆らえなかった」

別の商品でも偽装…重かった「特命」のツケ

 社員の強気もむなしく、偽装が見破られるのに時間はかからなかった。
 昨年8月23日、うわさを聞きつけた花畑牧場の代理人の弁護士がスーパーを訪れ、実際に商品を購入し、「どこから仕入れた商品か」と聞いて回った。
 〈これはヤバい〉
 社員は直後に店内の宣伝広告を外した。すると間もなく、売れ行きは落ちていった。
 埼玉県警は花畑牧場側から相談を受けて捜査を開始。同9月25日、「ショッピングひまわり」の客からキャラメルを任意提出してもらい、民間の検査機関に成分分析を依頼したところ、極微量の有害物質「メラミン」が検出された。
 県警は10月24日、結果を発表。「ショッピングひまわり」が花畑牧場の商品と混同させる表示をしていた疑いがあることを合わせて明らかにし、問題は公となった。
 「正規の物と包装の形状が違っていても、(本物に)間違いないと考えていた」
 同社の山崎輝光社長は涙をこらえながら陳謝した。
 しかし、同社が商品を偽装していたとされるのはキャラメルだけではなかったのだ。中国産ハマグリを国産と表示したり、原産地表示の違う野菜や鮮魚を販売したとして今年1月、日本農林規格(JAS)法に基づき、農林水産省関東農政局から是正を指示されている。こうした件は、社員とは別の人物が担っていたらしい。
 県警は3月12日、不正競争防止法違反容疑で社員を逮捕。31日には同法違反罪で罰金15万円の略式命令を受け、即日納付した。
 「客も正規の商品と思ってだまされたというより、うすうすおかしいと気づいていたようだ。そうした点もあって詐欺容疑での立件は難しかった」(捜査幹部)。
 捜査幹部によると、社員は調べに対し「悪いのはオレ」としながらも「社長には本当のことを報告していた」と供述。一方、社長は「聞いていない」と話したという。捜査の結果、社長の犯意は立証できず、法人としての「ショッピングひまわり」が同罪で罰金20万円の処分となった。
 利益を追求するあまり順法意識が置き去りにされた「特命」。そのツケは、社員や会社が刑事責任を問われただけにとどまらなかった。

 県警によると、同社はメラミン混入発覚後、キャラメルを購入したと自己申告してきた311人全員に対し、レシートの確認などもせず、809袋分の代金48万5400万円を返金。売れ残ったキャラメル分も合わせると、約60万円の損失を出したとされる。
 今年2月には、事件の舞台となった幸手香日向店など4店舗が閉鎖となってしまった。 」

産経ニュース 2009.4.4 13:00


                                              以上

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