2008年12月10日水曜日

私たちの健康は・・・ 微小粒子状物質「PM2.5」、規制へ新基準


今日は『健康』から安心・安全の視点で気になりました記事を取り上げました。
それは空中に漂う微小粒子状物質の話題です。

私は都内でトラックの交通量が多い幹線道路沿いのマンションで長年暮らしています。
東京都環境確保条例により、粒子状物質排出基準をもとに平成15年10月からディーゼル車規制が開始され、これで都内のディーゼル車排気ガス汚染はある程度の環境改善ができるのではないかと思っていました。
しかし現実は、“微小粒子状物質”という健康を害する大きな問題が残っていたとは・・・。

産業界保護と国民の健康とどちらが大切でしょうか・・・?

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≪ 環境省:微小粒子状物質「PM2.5」、規制へ新基準 ≫
毎日jp 毎日新聞 2008年12月9日
http://mainichi.jp/life/today/news/20081209k0000e040021000c.html

「 ディーゼル車の排ガスなどに含まれ、空中を漂う粒径2.5マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下の微小粒子状物質(PM2.5)について、環境省は新たに環境基準を設定する方針を決めた。近く中央環境審議会に諮問し、来年中にも基準を作る。

 斉藤鉄夫環境相が9日の閣議後会見で明らかにした。
 PM2.5の規制は昨年、東京大気汚染訴訟の原告らが和解交渉で基準設定を要請したのを受け、同省が検討してきた。今年3月には一定濃度のPM2.5を長期間吸い込むことで、肺がんによる死亡率が約1.3倍になるとの大規模調査結果を公表。同省の専門家会合は先月「PM2.5は非常に微小であらゆる場所に漂っており、すべての人が避けられず、公衆衛生上、健康影響を軽視できない」と結論、基準設定の是非を環境省にゆだねていた。
 環境基準は「環境基本法」に基づき、大気中のさまざまな物質について健康や生活環境を守るために望ましい濃度を示す。現行の基準では粒径10マイクロメートル以下の浮遊粒子状物質(SPM)については規制があるが、極めて小さいPM2.5は検出技術が未成熟だったことや健康への影響が不明だったため、規制の網から漏れていた。

 今後は海外に既にある基準を参考に、年間平均(長期)と1日あたり(短期)の許容濃度を検討する。またPM2.5の濃度を低減させるための対策も課題となる。【江口一】

 ◇PM2.5
 微小粒子状物質のうち、粒径が2.5マイクロメートル以下のもの。ディーゼル車の排ガスなどに含まれ、発がん性のある有害物質が表面に付着していることも多いとされる。粒子が小さいため吸い込むと肺の奥深くまで達するぜんそくがんなどのほか、不整脈心臓発作など循環器への影響も指摘されている

 ◇環境省が慎重姿勢を転換、対策の議論急げ
 環境省が微小粒子状物質(PM2.5)の環境基準を設定することになった。健康に悪影響があることは科学的に裏付けられており、当然の判断だ。
 PM2.5の規制については、疫学研究などの蓄積があった海外が先行している。米国は97年に基準を設け、06年には強化した。欧州連合(EU)は今年基準を作り、世界保健機関(WHO)も06年に指針値を定めている。

 国内でも大気汚染の被害者らが以前から基準設定を求め、07年には衆院環境委員会で「早期に環境基準設定を行うこと」と付帯決議もされた。しかし環境省は「PM2.5は国によって成分が異なり、極めて微小で検出技術の開発も必要だ。海外の研究だけでなく、国内の調査なども踏まえて基準を設定するかどうか決めたい」と慎重な姿勢を取り続けてきた。背景には排出源になりうる産業界の反発が予想されたため、「科学的な基礎固めが不可欠」との判断があったようだ。

 今や科学的な材料が出そろい、逆に基準作りを先延ばしする理由はなくなったといえる。PM2.5を人間がどれくらい吸入すると健康に深刻な悪影響を及ぼすのか、明確なデータが現時点ではないなど、他の汚染物質とは異なる難しさはあるものの、国民の健康を守るためにも議論を急ぎ、排出源の実態把握や濃度低減に向けた必要な対策を早急に打ち出す必要がある。【江口一】 」
毎日新聞 2008年12月9日(最終更新 12月9日 16時34分)


                         以上

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