2008年12月22日月曜日

「うま味」のアル話  


長い記事ですが、「ま味」についてとても興味深く読めました。

幅広く知識をふやすことのできたとてもよい韓国からの記事でした。

皆さんも時間がある時に読んでみてください。

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≪ 発見から100年「うま味」正々堂々第5の味に (1)≫
Joins.com 中央日報 2008.12.21
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=109054&servcode=400&sectcode=400

世の中に存在する「味」は細胞の数ほど限りないようだ。しかし基本的な味は甘味(sweet)、塩味(salty)、酸味(sour)、苦味(bitter)の4つだけであり、これら4つの組み合わせによってあらゆる味が派生するというのが西洋の4基本味(24種類味)理論だ。古代ギリシアの哲学者デモクリトス以来で数千年もの間、堅固に席を守ってきた4基本味説は正確に100年前(1908年)、力強い挑戦に直面する。

海草スープから誕生

挑戦者は日本の東京帝国大学池田菊苗教授だった。海草スープから味を発見し、これを“うま味”と呼んだ。これが4基本味をどのような方式で交ぜても得られない“第5の味”と主張した。

日本の味の素社は翌年「うま味調味料」と名付けてうま味を商品化した。その後1世紀の間、うま味は我々の味を支配してきたが、2度の大きな試練を経験した。

先に西洋学者たちはうま味の実体に対して絶えず疑問を提起してきた。うま味を認めるためには4基本味説を支持したプラトン、アリストテレスまで否定しなければならなかったほど反対が強かった。時には「東洋理論なんて」と無視作戦を展開した。この論争は2000年、米国マイアミ大学ニルパ・チャウダリ教授チームが、舌でうま味の意味を感知する受容体(receptor)を見つけて終わった。こういうわけでうま味が国際用語として公式に認められた。

味覚は液体に溶けた化学物質の味として舌が担当する。しかし高校の生物の授業で学んだ内容と違い、舌の部位別に特定の味を感じるものではない。科学専門誌ネイチャー(2006年8月24日付)に味を感知する受容体が舌の特定部位に集中しているのではなく、舌全体に広がっているという論文が発表された。

2番目の挑戦は、うま味の代表柄であるうま味調味料が中国飲食店症侯群(Chinese restaurant syndrome)を誘発するという問題提起だった。この論争は30年間続いた。中国系米国人医師が68年、米国の権威ある医学専門誌ニューイングランド医学ジャーナルに「うま味調味料をたくさん使う中国飲食店に行くと首が凝ったり胸がドキドキし、衰弱する感じがする」という内容の手紙を送ったのが発端だった。その後、有害性をめぐり熾烈な攻防が起こった。

95年、米国食品医薬局(FDA)はうま味調味料を大多数の消費者に危険を起こさない物質に分類した。世界保健機関(WHO)国連食糧農業機関(FAO)の公式的立場もFDAに似ていた。しかしまだ火種は残っている。一部では相変わらずうま味調味料の安全性に疑問を提起している。

うま味の受容体を発見したニルパ・チャウダリ教授は9月、日本の東京で開かれた「うま味発見100周年記念式」で「うま味調味料を高濃度で保存したら味もおかしく健康にも良くない」と言った。西江大イ・ドクファン(科学コミュニケーション)教授は「うま味調味料が人体に有害だという確かな科学的証拠はないが、うま味調味料をむやみに食べてもよいという意味ではない」と「度が過ぎれば何でも問題になる」と説明した。

最近はうまみ調味料を多く取りすぎれば肥満を引き起こし、網膜を損傷することがあるという研究論文も出ている。

発見から100年「うま味」正々堂々第5の味に(2)

胎児が最初に味わう味

甘口は砂糖、塩味はミネラル(ナトリウム・カリウムなど)、苦みと酸味は毒性物質の存在を知るのに有用に使われる。うま味を感じたらタンパク質が豊かな食品ということを暗示する。

うま味はたった一言で表現しにくい。統一された用語も韓国語にはない。甘辛い味、香ばしい味、ソフトな味、負担のない味、肉汁の味、肉のスープの味、シイタケの味、いりこだしの味、昆布だしの味など多様だ。中国人は鮮味という。化学的にうま味は20種のアミノ酸の中の1つであるグルタミン酸の味だ。グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸が適切に混ざり合った味と見る学者もいる。みそ汁、しょう油、みそ、調味料の味だと考えれば理解しやすい。西洋人はセイボリー(savory)な味と感じる。

円光大食品栄養学科イ・ヨンウン教授は「西洋人は慣れない味であるうま味を大部分いやがる。私たちにとっておいしいセウカン(スナック菓子)が西洋人に人気がないのは、うまみ調味料が入っているから」と述べた。うま味の実体であるグルタミン酸を見つけたドイツ学者リトハウゼン氏は「不快な味だ」と表現した。しかし西洋でも最近、うま味のうち高い点数を与えるコック長が増えている。うま味の核心成分であるグルタミン酸が牛乳より母乳に10倍多く入っており、これは胎児が最初に味わう味という理由からだ。

第6の味“カルシウム味”登場

最近には米国研究陣が“第6の味”を見つけたと主張した。ネズミを対象にした研究結果、舌でカルシウム味を感じる受容体を見つけ出したというのだ。研究者たちはカルシウム味を「苦みということもでき、酸味がしたりする」とややあいまいに描写した。まだ公認されていない。

唐辛子やニンニクなどの辛味は6番目の味には含まれない。辛味は味覚細胞ではなく痛覚細胞が感知するという理由からだ。米国人も“ホット(hot)”と表現する。

烏山大学食品料理学科ペ・ヨンヒ教授は「辛味は味ではなく痛症の一種」であり「長期間繰り返された学習を通じて舌がほかほかし、引き締まる感じを辛味と感知する」と説明した。 」
中央サンデー/中央日報 Joins.com   2008.12.21 15:35:57


                                                       以上

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