2008年12月21日日曜日

これで良いのか! 日本の農地政策


過去にも仮登記による農地の耕作放棄について書きました。

この事例は西部鉄道という大企業が仮登記している農地の耕作放棄の話のようだ。

耕せば畑に戻る根拠は何か、耕作放棄されているのに「耕作放棄地」にもカウントされていないとか、違反転用なのに誰も手が出せない状態を存続させていいのでしょうか?

一体、日本は、日本人は、何を考え何所へ向かっていくのでしょうか

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≪ 農地漂流:「野球場」転用追認 埼玉・所沢市農業委「雑草なし、耕せば畑」 ≫
毎日jp 毎日新聞 2008年12月21日
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20081221ddm041040141000c.html

「  埼玉県所沢市で、不動産業者が農家に代金を支払って所有権移転を仮登記した農地が、無許可で野球グラウンドに転用され、市農業委員会が「現況は農地と認められ、違反転用ではない」と現状を追認していることが分かった。マウンドまで造られているが、市農業委は「耕運機を使えばすぐに畑に戻る」。所有者は30年以上耕作せず、仮登記が耕作放棄ばかりか違反転用状態も招いているのに「耕作放棄地」にもカウントされていない。

 問題の農地は所沢市北岩岡の畑約1ヘクタール。登記簿などによると、72年に西武不動産が事実上買収し、01年西武鉄道に転売した。宅地開発を目指し「転用許可後に所有権を移す」と仮登記されているが、開発のめどは立っていない

 仮登記は農地所有を農業の担い手に限った農地法の趣旨に反し、耕作放棄にもつながるとして農林水産省が対策を進めている。

 所有者の一人である60代の女性は「実父が10アール当たり約1500万円で西武へ売った。形の上で相続したが、売ってから一度も耕さず、今後も耕すつもりはない」と話す。畑は売却後に耕作放棄地となり、西武が年に数回草刈りを実施、管理してきた。

 畑は現在、投手のマウンドもあるグラウンドに変えられている。練習に使う地元の硬式少年野球チームの関係者によると、以前から子供が遊ぶ原っぱで、3年前に所有者の許可を得てチームの保護者らが整地したという。ソフトボールや高齢者のグラウンドゴルフにも使われている。

 農地法は、農地を農業以外に転用する場合は自治体や国の許可を得るよう義務付けている。しかし、市農業委の勝呂一夫事務局長は「雑草が刈られた状態で、耕運機を使えばすぐに畑に戻る。転用申請はないが、現況で農地と考えられ、違反転用ではない」と説明。さらに、所有者に耕作意思がないのに、「農地として管理されている」として、農水省が進めている耕作放棄地調査でも耕作放棄地にカウントしていない。

 西武鉄道は「地元の方々がゴルフの練習や草野球を時々しているのは知っていたが、所有地ではないため、当社としては何も言う立場ではない」(広報部)としている。【井上英介】 」
毎日新聞 2008年12月21日 東京朝刊

                                                    以上

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