2009年2月6日金曜日

チェンジ! 今までの既成概念から コメの収穫が3倍に


今日は何とも楽しい話です・・・。


これから農業もどんどん変わってくると思います、また変わらなければいけません。

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≪ 【富山】間隔30センチで納得 有機農法のコメ ≫
asahi.com 朝日新聞 2009年2月6日
http://www.asahi.com/food/news/TKY200902060204.html

「 有機農法でコメをつくる滑川市上梅沢の前佛清人さん(60)は今春の田植えを心待ちにしている。08年に、イネの株と株の間隔をこれまでの18センチから30センチにしたところ、例年の約3倍の収穫があったからだ。間隔を広げたことで、機械で除草できるようになり、根元に差し込む光量も増え、イネが健康に育った結果だ。前佛さんは「やっと納得できるやり方にたどり着いた。この田植え方法でこれからも本物を作り続けたい」と話す。

 20年前、農協職員として働きながら、有機農法のコメづくりを始めた。「消費者に本来の甘みを持ったコメを食べてほしい」という信念から、農薬、化学肥料を使わないことにこだわった。しかし収穫量は伸び悩んだ。

 原因は雑草だ。雑草は土の養分を奪い、イネの発育を妨げる。6~7月は、雑草取りに追われる。除草剤を使えば枯れるが、生命力が強く、またすぐはえてくる。

 市販の除草機は、畝に沿って入るように作られているため、株と株の間に、はえてくる草は、腰を折っての手作業で摘み取るしかない。雑草に養分を取られ、収穫が除草剤などを使った田んぼの5分の1しかない年もあった

 そんな前佛さんのところに07年夏、東京都でコメの小売店を営む明平行正さん(61)が訪れた。明平さんは、おいしいコメをつくる全国の農家を回っており、「自分が食べたくないコメは置かない」という信念から、有機米と特別栽培米だけを扱う。有機米の検査員の経験もあり、農家を訪ねてコメづくりのアドバイスもしている。明平さんは前佛さんのコメの味にほれこみ、「もっと多くの消費者に届けたい」と思った。

 収穫量を増やすため、明平さんが提案したのは「株間の縦横の幅を同じ30センチ間隔で植える」ことだった。行政や農業団体の指導で、全国の多くの農家は株の間隔を16~18センチにしている。前佛さんも以前、「間隔を広げて、縦横に除草機を入れた方がいいのではないか」と考えたこともあった。だが「苗を減らせば、収穫量が落ちる」という不安もあり、実行できなかった。

 明平さんの提案に、一度やってみようと決意し、苗の間隔を30センチにした。その結果、6ヘクタールの田んぼで、すき間にはえる雑草もどんどん取れるようになった。

 一方で、秋になるまで不安は消えなかった。間隔を広げることで、植えた苗が約半分に減ったからだ。

 杞憂に終わった。収穫では、1本の穂に、通常の2倍以上の約200粒が付いた。株間を広げたことで通気性がよくなり、太陽光が根元まで届き、イネが元気に育ったのだ。病害虫の被害も激減。明平さんの店で、前佛さんのコメを食べた常連客からは「粘り気があっておいしい」と好評だ。

 明平さんは、全国の有機農家に30センチ幅の田植えを提案したが、試した農家はいなかった。「みんな間隔を広げると収穫量が落ちると考えている」。前佛さんも「農家は毎年違う条件の中で、『今年はとれるのか、とれないのか』という不安と闘っている。新しい方法に切り替えるのは勇気がいる」とうなずく。

 昨年の収穫を見て、前佛さんは今年も「30センチ」にするつもりだ。長期的に成果が出れば、「無農薬農法に取り組む若い担い手への道しるべになる」と意気込んでいる。(板垣麻衣子) 」

                                                  以上

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