2009年2月4日水曜日

食料自給率のアップ 「こめたまご」


地道な活動から、大きなうねりへ!

よい事は直ぐに実行したほうがよいに決まっています。

でも、それを実現するためには皆の協力が不可欠です。

未来の日本を考えるよいテーマと思いました。

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≪ 鶏卵:米で育てた鶏卵、増加 低価格化へ、研究進む ≫
毎日jp 毎日新聞 2009年2月4日
http://mainichi.jp/life/food/archive/news/2009/02/20090204ddm013100185000c.html

「 目玉焼きを作ろうと思って卵を割ったら、黄身の色がいつもとちょっと違う--。食卓の卵にそんな変化の兆しが出ている。トウモロコシ主体の飼料ではなく、米で飼育した鶏卵を売る生協が増えているのだ。米は国内でまかなえ、休耕田の活用や食料自給率のアップにもつながり、期待は大きい。ネックは卵の価格だが、コスト削減の取り組みも始まった。【小島正美】

 ◇色薄いが質良く/自給率向上の期待
 さいたま市にあるコープネット事業連合(さいたま市、1都7県・約350万人)の店頭には赤玉卵が並ぶ。商品名は「こめたまご」。米を混ぜたえさを鶏に与えている。

 通常、鶏のえさは6割程度配合のトウモロコシと大豆かすが主原料だ。だが、この卵はトウモロコシを4割に抑え、米を約2割混ぜている。千葉の提携先の養鶏場で生産した。「食料自給率を少しでも上げるのが目的」と同事業連合は言う。

 ただ、米を与えた卵は卵黄色が薄いという問題がある。卵黄がオレンジ色や黄色になるのは、えさのパプリカなど色素の影響だ。一方、えさに混ぜる米が多いと黄身は白っぽくなる。同連合ではパプリカも使い、あまり白っぽくならないよう工夫をしている。客からの苦情はない。

 価格は6個入りパックで168円と、通常の赤玉より約20円高い。飼料米の値段が輸入トウモロコシより高いためだ。同連合は4月末まで約80店舗で売るが、卵を卸す昭和鶏卵(埼玉県三芳町)は「自給率向上のためなら少々高くても買うという消費者側の理解がないと継続は難しい」。

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 パルシステム生協連合会(東京都文京区、約113万人)は昨年から「トキワの玄米玉子」を販売している。青森県で生産された飼料米による鶏卵だ。米の配合割合は約6割と高く、黄身は白っぽい。平飼いで大量生産ができず、価格は6個で480円と高い。

 東都生協(約22万人)でも、昨年11月、飼料のトウモロコシをすべて米に切り替えた卵をテスト的に作り、約3600パックを販売した。約8割の組合員は「色の変化は気にならない」と答えた。価格は6個入り198円と、ネックはやはり価格だ。福田勇・商品部畜産グループマネージャーは「継続販売するには1個30円までが限度」と言う。飼料米を安く調達できるかが課題になっている。

 京都生協は今年秋から、米をえさにした鶏卵を供給する。すでに肉牛の粗飼料に米を使ってきた実績がある。「卵の値段が通常の卵と同程度でないと消費者はついてこない」と、消費者が手にとりやすい価格での供給を目指し、準備を進めている。

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 卵の価格高を打開するため、飼料米を安く生産する先駆的な研究試験も始まっている。

 信岡誠治・東京農大准教授は昨年、大学内の試験場で多収量性品種の稲「モミロマン」を栽培し、もみ米を鶏に与え、産卵させる試験をした。

 稲は収量を増やすことだけを目的に、大量の鶏ふん(10アール当たり2~4トン)を肥料にした。その結果、通常の食用米の2倍近い10アール当たり約1・3~1・4トンの収量があった。

 鶏のえさは米を6割配合し、トウモロコシは使わなかった。卵の品質はよく、試験は大成功だった。

 現在、国内には100万ヘクタールを超す休耕田がある。収量が多い家畜飼料専用の稲を栽培すれば、1000万トン以上の飼料米が生産でき、輸入トウモロコシの7~8割が米で代替できるという

 ただ、日本では飼料にする目的で米を栽培した経験がない。信岡さんは「家畜専用に米を栽培するという新しい意識をもつことが大事」と話す。生産者側の意識改革があれば、飼料米の普及は夢ではないと言う。 」

毎日新聞 2009年2月4日 東京朝刊

                                                       以上


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