2009年3月2日月曜日

銀行も今後の農業に注目する時代です


若者の就職したい職業で、農業が製造業に肩を並べる時代が到来するかもしれません。

現在いろいろな企業で農業の工場化が推進されています。


消費者は安心・安全で安価な食材を求めています。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
≪ 食と農:私の思い 大手コンサル会社で農業経営を担当、畦地裕さん ≫
毎日jp 毎日新聞 2009年3月2日
http://mainichi.jp/life/food/agri/

 ◇企業の参入を支援、少しでもリスク低く
 --大手銀行系の三菱UFJリサーチ&コンサルティングが、なぜ農業経営を扱うのですか。

 畦地さん 親会社の銀行の立場では、農業にビジネスチャンスを感じるけれど、天候に左右されるリスクが高く融資しにくいので、コンサルティングを糸口に求めたという事情があります。当社としても新しい分野を開発する必要がありました。コンサルはなじまないという声もありましたが、企業の農業参入が増えて、我々により近づいてきたので1年半前から本格的に取り組み始めました。

 --農業参入は人気があるのですか。

 畦地さん 最近、引き合いが多くなって、一種のブームになっています。ただ「農業でも」と安易に考えて参入しても、事業として成り立たずに、撤退して耕作放棄地になってしまうとブームがブームで終わります。農業経営のハイリスク・ローリターンを、いかにローリスク・ローリターンに変えるかが重要です。農業をめぐる法制度から資金調達、生産品目の選定、販路の確保などを支援しています。

 --参入した企業はもうかっていますか。

 畦地さん 農業で大きな利益を出すことは難しいです。農業自体でもうけるのか、農業とそれ以外の付帯した部分でもうけるかで違ってきます。ある大手外食チェーンは本業に生産品を供給するだけでなく、イメージアップにも寄与しています。原料の安定的な確保に乗り出した酒蔵もあります。業態転換の場合は観光農園やレストランを併設するケースが多いです。自分たちでくわを持ってやるか、どこかと組むかでも異なってきます。

 --参入する側から見た現在の農業制度の問題点は何ですか。

 畦地さん 農地法で、望む土地が借りられない点です。農地を耕す人間に、いかに開放できるかがポイントになります。現行の制度で企業が農業に参入するには、初めは農業を応援する形を取った方がかかわりやすいです。まず農業を理解して、次に参入する方が手順としては良いと思います。

 --どんな農業経営が成功していますか。

 畦地さん 一定の規模以上だと、まず流通ルートを押さえて、販売先があらかじめ決まっていないと難しいです。その次に何を作るか考えたほうが良いです。また、自動車などの製造業で重視されている整理、整頓、清掃などを職場で重視する「5S」の考え方を農業にも導入し、農機具の置き場所などを整理して作業効率を上げている農場もあります。世界でも進んでいる日本の製造業の現場の手法を農業に取り入れる積極的な農業経営者が増えています。【久田宏】


 ■人物略歴
 ◇あぜち・ゆたか
 神戸市出身。関西学院大法学部を卒業後、ヤンマーに入社。農機具の営業で農家を回ったのが農業にかかわるきっかけとなった。建材メーカーやシンクタンクなどを経て、01年から現職。46歳。  」

毎日新聞 2009年3月2日 大阪朝刊

                                                 以上


0 件のコメント: